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ミステリの祭典

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ショットガン
87分署

作家 エド・マクベイン
出版日1969年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 tider-tiger
(2020/01/07 19:29登録)
~主に中流家庭が占める地域にあるアパートの一室で夫婦と思われる二つの遺体が発見された。クリング刑事は青ざめて嘔吐する。場数を踏んでいるキャレラも無駄口を叩く気にはなれなかった。遺体は双方ともにショトガンで顔を吹き飛ばされていた。~

1969年アメリカ。積読マクベインを一冊やっつける。だがしかし、そっとしておいてもよかったかもしれない。これはちょっとミステリとしては見るべきものがないような気がする。かなりの無理筋だし、たとえうまく決まっていたとしても陳腐。
先達ミステリを雛形にドラマで魅せていく作風であるにしても、これはあまりにも芸がない。
テンポよく展開していくし、会話も相変わらずうまいし、サイドストーリーはなかなか楽しいので退屈はしないのだが、マクベインのうまさを再確認すると同時にダメさ加減も骨身に沁みてしまった。
驚いたのは別作品のとある登場人物の行く末が判明すること。だけどねえ。気に入っていた作品だけに彼の物語をこうもあっさりと片付けられてしまうと非常に寂しい。これもマイナス要素。
腕のいい料理人が質の悪い魚で刺身を造ってしまったが、煮物と吸い物は美味しかったといった風。うまさは随所に出ているも採点は4点に近い5点とします。

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