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ミステリの祭典

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死神の矢
金田一耕助シリーズ

作家 横溝正史
出版日1976年05月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2021/10/29 22:55登録)
犯人設定と事件の構造自体は、おもしろいアイディアだと思います。さらに事件を難解化する原因となったある偶然も、ご都合主義というほどでもありません。
ただ、その設定にはかなり無理やりなところがあります。連続殺人の動機として、被害者の人物設定だけでなく殺意を抱く側の人格も考えると、これは無茶でしょう。また、上記偶然がなかった場合を考えると、最初の犯行は無謀としか言いようがありません。そもそも事件の発端となった古舘博士による婿選び自体、なんでそんなことをしたかという疑問への答は明確に示されていないのです。この犯人設定なら、殺人は1件だけにした方がよかったのではと思えました。元の短編がどうなっていたのかは知らないのですが。
角川文庫版に併録されている『蝙蝠と蛞蝓』は一人称の語り口がなんともユーモラス。「蝙蝠は益鳥である」って、蝙蝠は哺乳類なんですけど。

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