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ミステリの祭典

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JC科学捜査官 雛菊こまりと“くねくね”殺人事件
JC科学捜査官シリーズ

作家 上甲宣之
出版日2015年06月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2019/12/08 22:21登録)
「“くねくね”を見た者は精神に異常をきたす」「トイレから聞こえてくる『赤いはんてん、着せましょかぁ』という童唄に応えると、喉を切られ殺される」など、オカルト現象になぞらえた殺人事件の数々。FBIから、祖父の勤務する兵庫県警科学捜査研究所に派遣されてきた14歳の科学捜査官・雛菊こまりが、多彩な科学捜査と天才的なひらめきによって、事件を鮮やかに解決していく!
『BOOK』データベースより。

都市伝説を絡めた殺人事件に対して、科学捜査で立ち向かう女子中学生こまりの活躍を描く連作短編集。
オカルト色が強いかと思いきや、意外と専門的で本格的な科学捜査からアプローチしています。逆に私にとってはそれが物足りなかったですね。専門知識よりももっとねちっこい不可思議性を重んじて欲しかったのが本音です。まあラノベ系ですから致し方ないでしょうか。

しかし、刑事と科捜研が聞き込みなどを共にすることに疑問を感じました。それもまるでコンビの様に。普通あり得ないのではないでしょうかね、部署が全く違う訳ですから。それはそれとして、キャラがあまり立っていないし魅力を感じないのも気になりました。こまりを始め科捜研のメンバーや刑事達はそれぞれ個性的ではあるものの、それが際立っていない印象なんですよね。シリーズが二作で終わってしまった原因の一つではないでしょうか。
いずれにせよ、もう少し上手く都市伝説を生かしたミステリに仕上げていれば、もっと読み応えのある作品に成り得たと思いますね。残念です。あと、トイレの密室の謎が未解決のまま、これはいけませんね。

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