キンモクセイ |
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作家 | 今野敏 |
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出版日 | 2018年12月 |
平均点 | 7.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 7点 | HORNET | |
(2019/12/07 21:30登録) 法務省の官僚が殺される事件が起きた。現職官僚の殺人に奮い立つ警察だったが、なぜか警視庁は捜査本部を縮小、公安部も手を引くことに。警察庁警備局の31歳若手キャリア、隼瀬順平は、それを不審に思い深入りしようとする上司・水木を疎ましく思っていたが、いつの間にか同調して独自捜査に身を入れる。極秘で探りを入れるうちに、隼瀬は被害者が“キンモクセイ"という謎の言葉を残していた事実を探り当てる― 小説という虚構の世界なのか、それとも現在の日本のリアルな暗部なのか。昨今の政治情勢や法整備を題材にして、その行く先を憂える内容のようにも思える。オーソドックスな捜査物語ではなく、警察内部の暗黒を描くパターンの作品。佐々木譲の同タイプの作品にも似て、惹き込まれる作品。 |