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ミステリの祭典

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レパード 闇にひそむ獣
ハリー・ホーレ刑事

作家 ジョー・ネスボ
出版日2019年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 猫サーカス
(2019/11/26 19:20登録)
シリーズ物の主人公は大きく2種類に分かれる。境遇が安定している者と、激しく変化する者。ジョー・ネスボの描く刑事ハリー・ホーレは、後者の典型でしょう。ノルウェーの刑事という立場こそ変わらないものの、私生活や人間関係は、事件の影響で常に揺れ動いている。この作品でも、ハリーの境遇は大きく変化する。前作「スノーマン」の事件で心身に傷を負ったハリーは、休職して香港で自堕落な日々を過ごしていた。だが、母国で猟奇的な連続殺人事件が起き、帰国することに。捜査に臨むハリーの前には、新たな犠牲者が・・・。物語の中心はもちろん連続殺人犯の追跡。だが、他にもさまざまな苦難がハリーを襲う。父親のがんの進行。捜査の主導権をめぐる警察内部の縄張り争い。幾多の困難が絡み合い、緊張に満ちたドラマが繰り広げられる。舞台の広がりも忘れがたい。香港からノルウェー、さらにはアフリカへ。物語の要所に繰り広げられる、ハリーたちの生死を懸けたアクションシーンも強く印象に残る。重厚だが、激しい展開で一気に読ませる。

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