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ミステリの祭典

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古狐が死ぬまで
ジェリ・ハワード

作家 ジャネット・ドーソン
出版日1994年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2019/11/21 22:54登録)
私立探偵ジェリ・ハワードの第2作
巻末解説は法月綸太郎で、女性PI(Private Eye、つまり私立探偵。この省略形の発想は、最近再読した米国某古典短編のネタを思い出させます)小説は有名どころさえ読んだことがないと言いながら、池上冬樹が女性版ロス・マクドナルドと評していたので、解説を書くことになったそうです。しかし、本作はロス・マクとはかなり違います。真相にはたいして意外性はありませんし、フィリピン系のコミュニティーを描いた、社会派的な視点を持っているのです。最後にはパレツキー並みのアクション・シーンもあり、なかなか楽しめました。ただし、パズラー系でないとはいえ、証拠品が見つかったことをある人物がどうやって知ったのかとか、別の人物がどうやってマンションに入ったのかという疑問への答がいずれも安易です。
文章はその場の情景を非常に細かく描写しているところが、少々わずらわしいでしょうか。

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