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ミステリの祭典

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昨夜は殺れたかも

作家 藤石波矢&辻堂ゆめ
出版日2019年09月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 人並由真
(2019/11/11 16:23登録)
(ネタバレなし)
「俺」こと、人材派遣会社「ランカージョブ」に勤務する35歳の藤堂光弘。彼はある日、同僚のOL・野中がもたらした情報から、専業主婦の愛妻・咲奈が不倫をはたらいているのではと疑惑を抱く。やがてその疑いは確信に変わり、裏切られた思いの光弘は咲奈を葬る完全犯罪の計画を企てた。だが一方「私」こと咲奈も、夫が自分の秘密に気付いて殺そうとしてると察知。彼女もまた先手を打つべく夫殺しの計画を進める。

 講談社タイガレーベルで活躍中の藤石波矢が、同レーベルに初参加の辻堂ゆめと組んで合作したクライムラブコメディ。もともとは辻堂が出した案と同じモノを担当編集が抱えており、この構想を活かすために男女作家の合作企画を実現。それぞれ夫の「俺」パートと、妻の「私」パートを分担執筆したそうである(ちなみに藤石も辻堂もすでに既婚者)。
 
 内容的には、悪い意味で昭和のテレビドラマの再放送を観ているような感じで、特に中盤で送り手の作家たちがそれまで隠していたカードを見せるのが早すぎる。
 まあおおむねそんな(中略)だろうと予想はしていたものの、実際にそれを早々と明かされたおかげでいっきになけなしの緊張感も失せてしまった。だから後半の展開は単調で、眠い眠い。

 とはいえ万が一そのオチを終盤までとっておいてドヤ顔で開陳したりしたら、それこそ30年前の赤川次郎の量産作品だしなー。
 よくいえば、どう作ってもどっかで観たようなものになってしまうものを、なんとか最後に格好をつけたともいえるかも。

 中学生が、あんまり本を読んだことのない異性の友人に、サンジョルディとかの贈り物としてプレゼントするにはよいかもしれない(いや、それもどうだろうか……・汗)。
 主人公コンビが、オッサンの俺が見てまあキライな感じのキャラではないので、0.5点おまけ(とはいいつつ、いかにマジメな愛情の反動とはいえ、不倫されたから話し合いも叱咤もしないでそのまま殺しにかかるダンナってのも、21世紀の今の世相からすれば、リアリティ薄弱な気もするんだけど・笑)。

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