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ミステリの祭典

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道具箱はささやく

作家 長岡弘樹
出版日2018年06月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 まさむね
(2020/02/11 18:49登録)
 10数ページの短編18本から成る短編集。1編がすぐに読み切れる長さだし、結末としても一定の幅(ほっこり系からブラック系まで)があるので、スキマ読書としてはいいのかも。
 一方で、気になった点も。まずは、18短編もあるのだからやむを得ない面もあろうとは思うのですが、この短編集内でのネタ被りが散見されたこと。さらに、そのうちの一つは、他の短編集からのネタの使い回しと言って差し支えなさそうなこと。最初に読んだ時は「ほほう」と感心したのですが、こう何回もコピーされまくられると…。それと、これはあまり言いたくないけれども、登場人物の行動に「いやはや、無理があるでしょ」とか「いやいや、そんな迂遠なことはやんないでしょ」と感じすにはいられないこと。
 何かトリビア的な知識を得たら、それを無理やり使って(こじつけて)物語に仕立て上げよう…そんな姿勢が浮かび上がってきます。なので、中身としては決して深くはなりません。個人的には、ブラック系の短編の方が「読めた」印象。

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