ネット探偵局の事件簿 密室・アリバイ・暗号22連弾! 新保博久編 |
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作家 | アンソロジー(国内編集者) |
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出版日 | 2001年10月 |
平均点 | 5.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 5点 | メルカトル | |
(2019/10/30 22:53登録) このダイイング・メッセージは何を語っているのか?雪深い山荘で起きた密室殺人事件の真相は?姿を消した人気作家の原稿はどこに隠されているのか?1億円の身代金はいったいどこへ消えてしまったのか?―電脳探偵局が依頼を受けた難題をいともたやすく解いていく局員の探偵たち。密室、アリバイ、暗号…さあ、きみは探偵の頭脳にどこまで迫れるか!?気鋭のミステリ通が著した凄絶なる知恵比べの22問。 『BOOK』データベースより。 新保教授始め、村上貴史、杉江松恋、川出正樹、古山裕樹といった書評家が読者に挑戦するミステリ短編集。 それぞれが短く無駄がないのは良いですが、各々好き勝手に探偵を活躍させ、電脳探偵局の一探偵という設定なのに統一性に欠け、なんとなく違和感を覚えます。まあそれは作風が違うためやむを得ないとは思いますが。 大凡フーダニットとハウダニットが主なテーマで、これといった突出した作品は見当たりませんが、ダイイングメッセージものに優れたトリックがいくつか発見出来ました。なかなかの発想力だと感心しました。しかし、みなさん作家ではありませんので、矛盾点や疑問点があったり、トリックの借用があったりと全体的に高水準とは言い難い印象を受けました。中には誘拐物(短い中でよく纏め上げている)や、オチがミエミエの日常の謎を扱ったものもあります。 何だかんだゲーム感覚で楽しめましたが、あまり真剣に推理しなかったせいもあり、ほとんど真相を看破することができませんでした。全編通して犯人や殺害方法を指摘できたら名探偵を自認してもいいかも。 |