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ミステリの祭典

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ミッキーマウスの憂鬱

作家 松岡圭祐
出版日2005年03月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 バード
(2019/10/12 15:26登録)
他の書籍で紹介されていたので手に取った本書。当初はミステリと認識しておらず本サイトで書評を書く気は無かったのだが、解説に痛快なミステリー小説とあったので書評を書くことに。

本書の特徴はディズニーランドのバックステージをほどほどにリアルに書いた点で、読んだ者は皆おそらく、この話どこまで事実なのかな?と思うだろう。しかしゲストに夢を提供するキャスト達の仕事ぶりを見るにその真偽を追求することは本書の楽しみ方と違うのだろう。読者はそういう細かい点は気にせず、キャスト(松岡さん)の魔法にかかって夢の国(本書)の物語を満喫すべきなのだろう。
肝心の物語であるが、夢を見ていた新人の主人公がディズニーランドの裏の現実を知り、当初は複雑な感情を抱くものの、だんだんと自らの仕事の意義を見出す話で、悪く言うとそれほど新規性や意外性がある話ではない。しかし始めは単なる世間知らずな雰囲気の主人公が最終的に仲間やゲストを思って行動する立派なキャストになる成長過程は単純に読後感がよくおすすめ。

東京ディズニーランドの経営会社と現場のキャスト達との戦いという点は組織対個人の要素があり、書き方こそ大分違うものの横山秀夫さんのストーリー展開に似ているかもしれない。

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