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ミステリの祭典

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敬恩館青春譜二 青葉耀く
敬恩館青春譜

作家 米村圭伍
出版日2014年12月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 小原庄助
(2019/09/22 09:45登録)
大柄で腕力自慢の寅之助と病弱ながら聡明な小太郎は、千歳藩の端にある鳥越村から藩校に入学することになった。ところが藩校に到着した早々から、奇妙な出来事が連続する。実は寅之助と小太郎のどちらかが藩主のご落胤で、2人の両親はお家騒動から守るため、誰がご落胤かわからないように育てていたのだ。
二転三転する証言から本物のご落胤を当てるミステリータッチの展開に加え、2人の周囲では藩校のマドンナ京、豪商の娘お鈴とその弟で藩校で働く正助、筆頭家老の嫡男で成績優秀な淳市郎など、敵か味方か分からない人物が怪しい動きをしていくので、最後まで先が読めない。
1人を犠牲にして本物のご落胤を守る非情な計画やご落胤を殺して出世したいとの欲望を、友達を守るという少年たちの純粋さが打ち破る展開には、胸がすく思いがするのではないだろうか。
往年の明朗時代劇を思わせる痛快な娯楽作品だが、物語の背景には、「論語」が人生を見つめ直すヒントとして登場し、国家再建の力を秘めた教育の重要性が描かれるなど、重いテーマがさりげなく示されているのも、忘れがたい印象を残す。

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