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ミステリの祭典

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H殺人事件
躁鬱(でこぼこ)探偵コンビシリーズ

作家 清水義範
出版日1985年09月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2019/09/20 21:26登録)
(ネタバレなしです) 清水義範(1947年生まれ)はパスティーシュ小説の第一人者として知られ、作品ジャンルは極めて多岐に渡りますがミステリーについては1985年発表の本書を皮切りとする躁鬱探偵コンビシリーズ(躁鬱を「でこぼこ」と読ませてます)とやっとかめ探偵団シリーズが代表作でしょうか。ユーモア本格派推理小説である本書ではシリーズ主人公の1人である不破太平の住んでいるアパートで殺人事件が起き、太平はアリバイを主張して容疑を晴らします。そのアリバイ証人がもう1人のシリーズ主人公の朱雀秀介で、初登場場面では被害者の死亡時刻を推理しますがこれがなかなかの切れ味で印象的、こちらが名探偵役であることを早々と読者にアピールしています。しかし肝心の最終章での犯人との対決場面では「証拠はありません。でも僕はそう思うのです」とかなりの部分を想像で補った推理になっていてご都合主義に感じられてしまうのが残念。通俗色はありますがそれほどくどくなく、思っていたよりは謎解きに集中しています。

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