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ミステリの祭典

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やまわろ

作家 釛子ふたみ
出版日2010年10月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 まだ中学生(仮)
(2019/09/17 20:58登録)
極限状態に置かれた思春期の繊細で折れそうな心を持つ少女たちの感情の起伏を克明に描いている。
希望もなく、無気力に生きてきた少女絆奈。体育の授業で一泊の登山をするが、土砂崩れで山小屋は崩壊。かろうじて脱出した絆奈たち高校生は霧の闇を彷徨う。
そんな中で山の妖怪「やまわろ」を耳にした絆奈たちは互いの存在に疑念を持ち始め、加速度的に妄想を膨らませていく。この災難は誰のせい?「やまわろ」に取り込まれた誰かが何かを仕掛けた?狙いは何なのか?
実態は定かでは無いが確かに存在する「やまわろ」と巧みに仕立てられた状況設定が恐怖を植え付け、絆奈と一緒に闇夜の山中を迷っている錯覚を覚えさせる。

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