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ミステリの祭典

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彼岸の奴隷

作家 小川勝己
出版日2001年05月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2019/09/14 22:51登録)
首を切り落とされた女の死体が発見された。捜査一課の蒲生巡査部長は、所轄の和泉と組み、捜査を始める。だが、事件が和泉の過去に関係していて…。愛情を込めた殺意がいま、暴発する!狂気のクライムノベル登場!横溝正史賞受賞第一作。
『BOOK』データベースより。

冒頭こそ普通のミステリかと思いましたが、この作品に普通の感覚など通用しません。ほぼ全編エログロとバイオレンスのオンパレード。これはなかなかですよ。刑事もヤクザも男も女も誰も彼もが狂っています。そちら方面が苦手な読者は注意が必要です。逆にエログロ、バイオレンスをこよなく愛する人には必須アイテムですね。特に鬼畜系やカニバリズム愛好家(いないだろうけど)にとってはこれ以上ない逸品と言えそうです。
内容の割にはリーダビリティに優れており、サクサク読めます。ただ耐性のない人は途中で挫折するか気分が悪くなるかもしれません。私は面白く読めましたけど。

頭部と手首が切断された理由は、イカレた人間が犯人なので驚くようなものではありません。しかし、ミステリとしてプロットがなかなか良く出来ていて、こんな小説にこんなトリックが?と思うような手法が隠されており、流石横溝正史賞受賞者だけのことはあるなと感じました。まあ、強烈な読書体験は出来ますよ。読まないほうが身の為と云う気もしますけどね。

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