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ミステリの祭典

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電気じかけのクジラは歌う

作家 逸木裕
出版日2019年08月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 虫暮部
(2019/09/13 12:14登録)
 AIが発達しても音楽界がこういう状況になるとは思わないが、そこはまぁパラレルワールドってことでいいや。登場人物の心情の動きを近視眼的に追う分には面白かった。しかしこの世界設定で何故こう行動するのか腑に落ちないところもある。
 
 “新しい音楽”を流通させるには、“Jing”を調整して生成楽曲にその要素を混ぜて単純接触効果を狙う方が確実だと思う。
 “壁にカイバを貼り付ける”いうのは、わざわざ特定の場所に出向かないとその曲を聴けない(しかも行ってみるまでどういう曲か判らない)わけで、リスナーがそうやって未知のものに対する行動力を失わない状況は、“Jing”で好みの作品だけ聴く時代とは矛盾している。
 あと、即興演奏のユニット(昔から多々存在する)が物凄く特殊な発想みたいに描かれているのが不思議。

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