home

ミステリの祭典

login
十津川警部 怒りと悲しみのしなの鉄道
十津川警部シリーズ

作家 西村京太郎
出版日2019年01月
平均点2.00点
書評数1人

No.1 2点 mediocrity
(2019/09/05 02:28登録)
この作家の本はこれまでに9冊書評しているが、全て昭和に書かれたものだった。今回は今年出版の新書本である。

話は警視総監誘拐という所から始まる。相変わらず壮大な導入部だ。その後は推敲とか一切なしで口述したものをそのまま文字にしたという感じ。昔、出口王仁三郎が一晩で数百首の短歌を詠んだとかいう逸話を思い出した。ここまで文章を整えようとしていない本は初めて読んだかもしれない。
それでも中盤は一応ストーリーの破綻はなく進む。これだけ量産してると他の本と内容が混ざったりしそうだが本書はそれはない。連載のためか、章初めで、前回までのおさらいのような文章が入る。この部分は、なんだか作者がストーリーを思い出すために書いているとしか思えない。こちらは同じことを2回、3回読まされてうんざりだ。
で、連載も最終回。残りページ数がなくなり、一応の推理はしたものの解決を投げ出したままで終わってしまう。

来年90歳の老人がいまだに年間10冊ほど書いているんだから、このくらいのレベルの作品になるのは当然であろう。東野さんの『超高齢化社会殺人事件』が90歳の作家でしたよね。あれを考えると、まだ一応読める作品になってるのはすごいのかもしれない。

1レコード表示中です 書評