home

ミステリの祭典

login
凸凹サバンナ

作家 玖村まゆみ
出版日2012年08月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 猫サーカス
(2019/08/04 18:48登録)
主人公の田中貞夫は、法律事務所を開業したものの、まともな客は1人として訪れて来ない。まずは、30年間連れ添った妻から離婚を申し渡された会社社長の依頼を受けることになった。代理人として夫婦の間を行き来するうちに、最初に聞いた話からでは到底分からなかった事実が浮かび上がってくる。そして社長の最愛の愛娘ボニータの扱いに、てんやわんやさせられる。その後もアイドル志望の小学生やキャバクラで働くロシア人の女性たちなど、ほとんど商売にならない相談ばかり受け続けた。果たして田中はまともに仕事をこなしていけるのか。ユーモアの形をまとった法律ミステリーながら、最後は予想外の展開へと流れ込む。周到な伏線がラストで効いており、軽妙なドタバタ劇だけに終わっていない痛快リーガルミステリー。

1レコード表示中です 書評