| 凸凹サバンナ | 
  
|---|
| 作家 | 玖村まゆみ | 
|---|---|
| 出版日 | 2012年08月 | 
| 平均点 | 4.50点 | 
| 書評数 | 2人 | 
| No.2 | 4点 | ROM大臣 | |
| 
      (2025/10/27 14:44登録) 法律事務所所長・田中貞夫が法律相談に訪れる人々の抱える悩みを、一緒に考えながら解決の道を探る物語。 持ち込まれるトラブルも、それを持ち込む相談者も、どちらも一筋縄ではいかない。豚に異常な愛を注ぐ男の離婚問題、芸能界のオーディションを受けるために、母親を説得してほしいと頼んでくる小学生、大学教授の研究資料を根こそぎ取り上げようとする大学など、雑用に近いトラブルを引き受け誠実に対応していく。 田中には、ぐうたらの兄がいて過去に暗い影を落としていることがほのめかされる。それがこの作品の唯一のミステリ的要素のため、肩透かしを食うかもしれない。最後に明かされる田中の秘密は新味はないが読後感はよい。  | 
  |||
| No.1 | 5点 | 猫サーカス | |
| 
      (2019/08/04 18:48登録) 主人公の田中貞夫は、法律事務所を開業したものの、まともな客は1人として訪れて来ない。まずは、30年間連れ添った妻から離婚を申し渡された会社社長の依頼を受けることになった。代理人として夫婦の間を行き来するうちに、最初に聞いた話からでは到底分からなかった事実が浮かび上がってくる。そして社長の最愛の愛娘ボニータの扱いに、てんやわんやさせられる。その後もアイドル志望の小学生やキャバクラで働くロシア人の女性たちなど、ほとんど商売にならない相談ばかり受け続けた。果たして田中はまともに仕事をこなしていけるのか。ユーモアの形をまとった法律ミステリーながら、最後は予想外の展開へと流れ込む。周到な伏線がラストで効いており、軽妙なドタバタ劇だけに終わっていない痛快リーガルミステリー。  | 
  |||