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ミステリの祭典

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姉飼

作家 遠藤徹
出版日2007年08月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2020/10/23 22:23登録)
さぞ、いい声で鳴くんだろうねぇ、君の姉は―。蚊吸豚による、村の繁栄を祝う脂祭りの夜。小学生の僕は縁日で、からだを串刺しにされ、伸び放題の髪と爪を振り回しながら凶暴にうめき叫ぶ「姉」を見る。どうにかして、「姉」を手に入れたい…。僕は烈しい執着にとりつかれてゆく。「選考委員への挑戦か!?」と、選考会で物議を醸した日本ホラー小説大賞受賞作「姉飼」はじめ四篇を収録した、カルトホラーの怪作短篇集。
『BOOK』データベースより。

『姉飼』  怖いというより気持ち悪い。これまで読んだことのないような異様な作品。グロを通り越して究極の愛の形を示しているのだろうか。解説の大槻ケンジが書いているように、そこここに地雷が埋め込まれている。まさに読者への挑発。7点。

『キューブ・ガールズ』  カップヌードルのようにお湯を入れるだけで、好みの彼女が出来上がるという、SFっぽい作品。5点。

『ジャングル・ジム』  ジャングル・ジムを擬人化し、彼を慕う子供たちやサラリーマンとの交流を描く。悲哀が漂うラストが沁みる。 6点。

『妹の島』  オニモンスズメバチに刺され体中を侵された吾郎とその息子たちの怪しい人間関係。タイトルに妹を持ってきているが、あまり表立ってはいない。 5点。


いずれの作品も、あまり類を見ない独自の路線を築いているように思います。オリジナリティの高い点は評価しても良いのではないかと。まあキワモノには違いないですが、ちょっと毛色の変わったホラーを求める向きにはお薦めでしょうか。

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