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ミステリの祭典

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危険な女に背を向けろ

作家 生島治郎
出版日1977年06月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 人並由真
(2019/07/07 16:08登録)
(ネタバレなし)
 クライムものや捜査ものなどのノンシリーズ作品、それもショートショートでも中編でもない、まさに「短編」という長さの作品ばかりを11本集めた一冊。たぶん作者が当時の「小説推理」とかあちこちの中間小説誌とかに書いた(一部書き飛ばした)作品を集成したものであろう。

 基本的にオチをつけてまとめる作品が主体だが、早々に結末が読めてしまうものもいくつかあり、はは、昭和っぽいこの種のライトミステリの、のんきな作風だね、という感じでほぼ一色。
 異色? なのは巻末の自伝風作品『浪漫渡世』で、これは作者がかつて早川書房に入社し、日本版EQMMの二代目編集長に就任した際の回顧譚。実在人物は変名で登場するが、世代人ミステリファンなら大方の見当はつくはず。生島から見た先輩・田村隆一への深い敬愛と親愛の念、早川清への悪態(? 笑)、日本ミステリオヲタクの先駆・田中潤司へのなんともいえない視線など、それぞれ興味深いし楽しい。

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