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ミステリの祭典

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最後の逃亡者

作家 熊谷独
出版日1993年11月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点
(2019/07/01 10:19登録)
第11回サントリーミステリー大賞受賞作。

ソ連時代のモスクワ等が舞台。
綿密に調査をしているのがよくわかります。これを想像では書けないでしょう。
場面の多くが主人公たちの逃亡シーンで、緊迫感が伝わってきます。ストーリー自体もよく練られていると思います。

残念なことが3点。
まず、ラスト。これはいただけない。暗すぎる。
2つめは、なぜ追われるのかという点。いちおうわかるが、もうちょっとくわしく書いてほしい。
そして、文章。視点が多すぎるし、転換も多すぎる。主人公クラスが4,5人いて、感情移入もできない。
唯一の日本人の登場人物、技術者・岡部信吾をもっと深く描き込んでほしいですね。

視点については、本格ミステリーでもないのでどうでもいい、とも思うのですが、いつもクセのように気になり、すぐに文句を言ってしまいます。
でも本作の場合、それが原因でかなり読みにくくなってしまいました。たんに読み方が下手なのかなと思ってしまいます。

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