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ミステリの祭典

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ふたり女房

作家 澤田瞳子
出版日2016年01月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 小原庄助
(2019/06/24 09:57登録)
幼い頃に公家の娘である母を亡くし、医師の父も行方不明になった真葛は、京にある幕府直轄の薬草園を管理する藤林家に引き取られ、薬草と医学を学びながら成長した。
薬種屋で奉公している娘が音信不通となる「人待ちの冬」、恐妻家の武士の意外な過去が明かされる「ふたり女房」、藤林家から出たという薬で隠居が毒殺される「初雪の阪」など六つの事件に挑んでいく。
真葛の推理を通して、目的のためなら手段を選ばない人間の欲望、格差社会の犠牲になる弱者、女性への差別といった、現代とも共通する問題があぶり出されていくので、作品のテーマは重い。ただ厳しい現実と自分の未熟さを突き付けられた真葛が、努力を重ね、周囲の人たちにも助けられながら、少しでも人の役に立とうと奮闘する姿はとても心地よい。困難を乗り越え成長する真葛の活躍は、青春小説としても秀逸である。

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