南伊豆殺人事件 十津川警部シリーズ |
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作家 | 西村京太郎 |
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出版日 | 1998年03月 |
平均点 | 5.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 5点 | E-BANKER | |
(2019/07/05 22:09登録) お馴染みの「十津川警部シリーズ」。良き相棒・亀井刑事はもちろん、権力者に弱い上司・三上部長や日下、西本などいつものメンバーも大活躍(!) 1997年の発表。 ~伊豆下田の旅館から、会社社長で有田という名前の男が、五百万円入りのボストンバックを残したまま失踪した。二日後、有田の娘を名乗る女性が旅館に現れるも、その後訪ねてきた甥は、有田に娘はいないという。しかし、この甥も実は偽物と判明。つぎつぎと偽物が現れる怪事件に十津川警部はどう立ち向かうのか? なぜ本作を手にとったかというと、この紹介文に惹かれたから・・・である。 なんか面白そうでしょう? ある人物が「コイツは偽物だ!」というが、実はそいつも偽物。その偽物と下した人物がこれまた偽物・・・ プロットだけを取り上げれば、どんな展開になるのかと期待は膨らんだ。 実際、序盤は結構面白い。 十津川警部シリーズだと、景勝地や列車のなかで殺人が起き、十津川たちの捜査により怪しい人物が浮かぶが、鉄壁(と思われる)アリバイが立ち塞がる・・・という展開になりがち。でも、本作の場合、読者にも予想がつかない序盤~中盤。 ただ、如何せん量産作家の宿命か、大凡の筋書きが浮かんだ中盤以降は、いっきに萎んでいく。 まぁ仕方ないよね。 警察が扱う殺人事件なんて、本来は鋭い推理なんてものはぜんぜん必要ないんだろうし・・・ でも、十津川や亀井の推理が行われるや、次の場面ではそれを補強する物証や証言が速攻で出てくる展開。 これはこれでスピーディーといえなくはないが、もはや読者はただ只管ラストまでエスカレーターに乗せられてるという感覚。 まさに新幹線で二時間という乗車時間にピッタリの作品。 やっぱり“名人芸”だね。 (今は「ホステス」って死語ですかね?) |