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ミステリの祭典

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ばらばら死体の夜

作家 桜庭一樹
出版日2011年05月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 メルカトル
(2019/06/16 22:09登録)
神保町の古書店「泪亭」二階に住む謎の美女・白井沙漠。学生時代に同じ部屋に下宿していたことから彼女と知り合った翻訳家の解は、訝しく思いながらも何度も身体を重ねる。二人が共通して抱える「借金」という恐怖。破滅へのカウントダウンの中、彼らが辿り着いた場所とは―。「消費者金融」全盛の時代を生きる登場人物四人の視点から、お金に翻弄される人々の姿を緻密に描いたサスペンス。
『BOOK』データベースより。

こんなに殺伐とした小説を読むのは初めてかも知れません。それは、人間性の圧倒的な欠如、二人の主人公の人間としての根源の部分が抜け落ちていることに起因すると思われます。泪亭の店主がマトモに思えるほどに、異形の人物像として私の目には映ります。許容範囲の広い私でも、流石にこれはちょっとどうなのかと思ってしまいました。
それ程嫌悪感を覚える訳ではありませんが、少なくとも気持ちよく読了できる作品でないことは間違いありません。そして読者を選ぶことも確かでしょう。私のようにタイトルに惹かれて購読するのは危険なのでやめた方が賢明です。

冒頭に少々ショッキングなシーンがあり、そこに向かって物語は進行していきますが、闇金やら性衝動やらやるせない夢など、様々な要素がごちゃ混ぜに。一体自分は何を読まされているのか、何をしているのか読書中に疑問を感じながらブルーな気分に浸れます。ですが決して気分の良いものではありません。
しかし、最後まで読んだら即最初に戻って読み返してしまうこと必至なのです。ちょっとした仕掛けが仕込んでありますので、まあでもミステリじゃないからトリックどうこうではないですが。
それにしてもたかが300万の金で夢と自由が手に入ると本気で考えているとしたら、やはり頭がイカレているとしか言いようがありませんねえ。

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