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ミステリの祭典

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満州コンフィデンシャル

作家 新美健
出版日2019年01月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 小原庄助
(2019/06/14 09:23登録)
物語の舞台は、1940年から45年の満州である。訳あって満州に飛ばされた元海軍士官候補生の湊春雄。満州映画協会(満映)に出入りしている、正体不明の西風と腐れ縁になり、さまざまな騒動や事件に関わっていく。機密フィルムの運搬や満州皇帝の暗殺計画に巻き込まれるなど、起伏に富んだ冒険譚が楽しめるのだ。
さらに、有名な大陸浪人の伊達順之介、合気道の植芝盛平、満映の女優の李香蘭、東洋のマタ・ハリといわれた川島芳子ら実在人物が次々と登場。春雄と西風をはじめとする、満州に生きた人々の夢とその終焉をきらびやかに彩るのだ。
終盤で判明した春雄の抱える意外な事実や、物語の締めくくり方など、ストーリーも巧みである。俊英が渾身の力を込めた勝負作だ。

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