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ミステリの祭典

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華麗なる醜聞

作家 佐野洋
出版日1964年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 斎藤警部
(2019/06/13 12:44登録)
アリャ、A氏が二人いるぞ。と思ったら更にもう一人。。 社会派をダシに使い切れなかったのが悪いのか、サスペンスの道筋と糾弾の矛先が大いにずれたまま大爆発無くモヤモヤと終了。ルポルタージュの真似事(あまりに小説臭い!)風に視点がコロコロ替わる構造の面白味も終盤近くで自然消滅。最後の最後でバランス悪さを露呈。でも結末に至る前までは中々に面白く、実にリーダブル。

昭和三十年代中盤の実社会を騒がせた複数事件を組み合わせたモチーフを使いつつなお「これは実際に起きた事象である」振りをしているコンセプトの故か”疑似ドキュメンタリー”の嘘っぽさが溢れ出てしまい、スリルだとか知的興味だとか、大事な何かを削いでしまっている気がする。それでもまず面白いのは、洋ちゃんの底力ですな。

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