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ミステリの祭典

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サークル 猟奇犯罪捜査官 厚田巌夫
藤堂比奈子シリーズ・スピンオフ

作家 内藤了
出版日2018年08月
平均点3.00点
書評数1人

No.1 3点 HORNET
(2019/06/09 16:19登録)
 藤堂比奈子シリーズのスピンオフ。正確に言えば、先にスピンオツ作品として出された石神妙子検視官の「パンドラ」の続きになっているので、スピンオフのスピンオフみたいな感じ。

 警察官の一家惨殺事件が発生。夫婦と二人の子供が一夜のうちに殺され、4人の心臓がえぐり取られて並べられ、死体と共に血で描かれた円に囲まれているという以上犯罪だった。
 検視官・石神妙子と結婚したばかりの新婚夫、厚田刑事は事件の捜査に携わるが、妊娠中の妻・妙子がいつまでも検視官の仕事を続けていることを心配していた。すると案の定、警官一家惨殺事件の検死も妙子が請け負っていた。妙子に「真犯人を挙げて」と強く言われ、捜査に邁進する厚田だったが―

 一家惨殺事件の捜査、妙子の妊娠、前の恋人で子どもの父親でもある犯罪者のジョージとの絡みなど、いろんな要素が盛り込まれていながらそれぞれが散逸していてまとまらず、さらには結局作品タイトルにもなっている一家惨殺事件は何も解決しないまま終わる。特別な事情を抱えた厚田・妙子夫妻の行く末が話のメインのような感じで、ミステリとしては非常に消化不良であった。

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