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ミステリの祭典

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追憶のファイル
ジェリ・ハワード

作家 ジャネット・ドーソン
出版日1992年08月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2019/04/27 23:54登録)
女私立探偵ジェリ・ハワードの一人称形式によるミステリの第1作。と言えば、当然グラフトンやパレツキーの系列ですが、語り口は何となく爽やかな感じがします―これは翻訳にもよるのでしょうが。彼女は探偵社勤務時代から始まり既に何年もこの稼業をやっているという設定です。構想段階では途中で主役の設定を一般人から私立探偵に変えたそうです。
失踪した妻を探し出してほしいと夫から依頼されるのは、いかにもハードボイルド系の出だしです。ただ預金をおろして、荷物を持って自分の意志で出ていったことが明らかなのは珍しいかもしれません。失踪者の過去に起こった家族惨殺事件の疑問点は、簡単に見当がつきますが、失踪者の現在の行動はあってもよさそうでありながら、他には例を知りません。感心する点もいろいろあるのですが、全体的な事件の流れの自然さということでは今一つすっきりできませんでした。

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