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ミステリの祭典

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ハイスピード!

作家 サイモン・カーニック
出版日2014年05月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 E-BANKER
(2019/04/07 21:30登録)
「ノンストップ!」に続いて発表された作者の第六長編。
現代英国のクライムノベルをリードする(?)作者が送り出す「ジェットコースター・サスペンス」。
2007年の発表。

~タイラーは血染めのベットで目が覚めた。隣には恋人の惨殺死体。殺しの濡れ衣を着せられ、彼は不審なカバンの受け渡しを強制された。それが、決死の逃亡劇の始まりだった。敵は一体何者なのか。なぜ自分が狙われたのか。陰謀の全貌とは? 敵の攻撃をかわしながら、彼は反撃の機会を伺うのだが・・・。冒頭から全力疾走。一気読み確実の豪速サスペンス~

前作の「ノンストップ!」を読了したのが約七年前。
それから人気に火がつくこともなく、次作を読むこともすっかり忘れていた。
前作でも「まずまず面白い」という趣旨の書評を書いたように記憶してるけど、今回もそれに近い。

事件はいきなり始まる。
目覚めたら隣に首無しの惨殺死体があるという強烈な冒頭シーン。こりゃ映像化は向かんよな・・・
その後はピンチの連続、銃撃戦、美女との偶然の出会いと別れ、親友や戦友との再会・裏切りなどなど、たったの一日間でこれでもかというほど畳み掛けられる。
作者自身、冗長になるのを嫌い、過剰な人物描写や文学性を排除しているとのことで、それがこの疾走感を生み出している要因。
ただ、やはりこれは好みが分かれそう。

ご都合主義や予定調和と感じる方もきっと多いだろう。
私自身もそう感じた側かな。
結局黒幕が誰か、“ヴァンパイア”と呼ばれる謎の殺し屋が誰か、というところに興味はフィーチャーされるのだが、ラストに来てあかされる正体も、「やっぱりね」感からは逃れらなかった。
あと訳のせいかもしれないけど、どうも盛り上げ方が今ひとつ。
まっ楽しめないことはないので、評価としてはこんなものでしょう。

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