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ミステリの祭典

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ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち

作家 仁木稔
出版日2014年04月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 小原庄助
(2019/03/24 10:37登録)
情報社会の閉塞と混迷をテーマにしている。この世界では”妖精”と呼ばれる人工生命体を奴隷的に使役することで、「絶対平和」を確立している。だが、そんな繁栄にも陰りが兆す。
異質な存在に憎悪を向ける人々。ポピュリズムの下、かえって原理主義や差別感情が人々の心に巣くい、情報社会は陰謀論と反知性主義の温床と化していく。
いうまでもなく、これは現現代会が抱える現在進行形の問題にほかならない。
社会変革への意志を帯びた政治小説はSFの源泉のひとつだったが、この作品は間違いなくその正当な後嗣といえる。

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