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ミステリの祭典

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謀略空港

作家 シェイン・クーン
出版日2018年11月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 小原庄助
(2019/03/12 09:50登録)
前作の皮肉なユーモアに彩られた殺し屋の物語「インターンズ・ハンドブック」とは、全く毛色の異なる物語だ。
ケネディは航空保安警備の専門家。9・11のテロで妹を失い、この道に進んだ。コンサルタントとして世界各地の空港を飛び回る彼を、CIA(中央情報局)のテロ対策チームがスカウトする。あるテロリストが、複数の空港を狙った大規模なテロを企んでいるというのだ。かくしてケネディは、テロとの戦いに巻き込まれる・・・。
前作で見せたユニークな語り口、凝った人物描写といった強みをすべて封印して、どんでん返しの連続する謀略スリラーに徹している。
人物描写も語り口も控えめで、小説というよりは長いあらすじを読んでいるような気分になるかもしれない。だが、意外な展開の連鎖で形作られた物語は、ぐいぐいと読む者を引っ張っていく。
後半は逆転劇の連続。ひたすら読者を驚かせる展開に特化した、極端に振り切った作品である。

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