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ミステリの祭典

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一刀流無想剣斬
改題『神子上典膳』

作家 月村了衛
出版日2012年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 小原庄助
(2019/02/20 10:02登録)
戦国末期を舞台に、剣豪として名高い神子上典膳が、家臣の謀反で国を追われた美しき澪姫と小性の小弥太を守って、追手の刺客と死闘を繰り広げる展開は、まさに剣豪小説の王道パターン。
異能の剣を使う黒蓑兄弟と戦う追加のチャンバラがあるかと思えば、澪姫たちが逃げ込んだ山の自然が行く手をはばみ、それを乗り越える冒険小説の要素もあるので、血湧き肉躍る興奮が満喫できる。典膳の活躍を通して、困難を克服する勇気、悪と戦う強い心を持つ重要性というテーマをさりげなく描いたところも、強い印象を残す。
一刀流の祖、一刀斎は典膳と善鬼を弟子にしたが、残酷な善鬼でなく典膳を後継者にしたとされる。この伝説を踏まえたどんでん返しを読むと、著者の時代小説への愛もよくわかるだろう。

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