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ミステリの祭典

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「能登モーゼ伝説」殺人事件
埋宝伝説シリーズ 旧題「能登モーゼ伝説殺紀行」

作家 荒巻義雄
出版日1990年07月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2019/01/29 22:28登録)
(ネタバレなしです) 1990年発表の埋宝伝説シリーズ第5作の本格派推理小説ですが、財宝探し的な趣向はありません。北海道の巨大迷路で発見された角のある男の死体の事件はやがて能登のモーゼ伝説の謎に発展し、最後は探偵役の荒尾十郎がフランスにまで乗り込みます。アリバイ崩しに力を入れていて第7章では荒尾が見破った時刻表トリックの解答は巻末にありますという、ちょっと変わった「読者への挑戦状」があります。もっとも肝心の時刻表(1989年9月号)が掲載されておらず、現代の読者はこの謎解きに挑戦できないのですが。まあ載っていたとしても時刻表を見ると頭痛が起きる私は敬遠しちゃうんですけどね(笑)。講談社文庫版の作者あとがきでは、現代社会におけるミステリーの在り方について色々と思い悩んでいるような記述がありますが方向性を見つけられなかったのか結局本書が作者最後のミステリー作品になりました。この後の作者は架空戦記小説の艦隊シリーズで大成功するのですからミステリーから離れたのは正解ということになるのでしょう。

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