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ミステリの祭典

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死を歌う孤島
犯罪捜査官マリア・ヴェーン

作家 アンナ・ヤンソン
出版日2015年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2020/07/06 23:00登録)
島に集まった人々が次々に殺されていくプロットなので、当然『そして誰もいなくなった』を思い浮かべる人が多いようです。確かにそのとおりで、そこはおもしろいのですが、かなり別の要素が入ってきている作品です。で、実はそこが本作の問題点と思われるのです。
この作家は初めて読むのですが、スウェーデンのゴットランド島の捜査官マリア・ヴェーンを主役とした作品が中心なようで、本作もその一つ。同僚ペールとの恋愛問題(ペールにとっては不倫)に悩む状況は、地道な捜査を描く警察小説なら、いい味付けになるでしょうが、近くの小さな無人島でのマリアを含むセラピー・キャンプ内で起こる連続殺人の場合には、サスペンスを殺ぐことにしかならないと思うのです。マリアがキャンプに参加する理由となったギャング関係の事件も、本筋とは無関係に進行します。2作に分け、シリーズ外(スピンオフ)作品としてシンプルな構成した方がよかったのではないでしょうか。

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