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ミステリの祭典

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スクープ

作家 今野敏
出版日2009年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 HORNET
(2019/01/26 21:19登録)
 TBNテレビ報道局社会部の布施京一は、看板番組「ニュース・イレブン」所属の遊軍記者。会議は遅刻、夜は毎晩繁華街に繰り出す、など素行に問題はあるものの、本人はいたって素直なつもりで、何故か人を惹きつける。独自の取材で数々のスクープをものにしている彼の取材ソースのひとりは警視庁捜査一課の黒田裕介刑事。顔を合わせれば「失せろ」と言われる存在だが、なぜか切っても切れない関係。今日も夜の街に繰り出し、フラフラしているようで事件の真相に迫る布施であった―

 布施、捜査一課黒田、布施の上司の鳩村デスク、キャスターの鳥飼と香山、ちょっとうっとうしい東都新聞の持田記者、という固定メンバーで綴られた短編集。相変わらずそれぞれのキャラ付けが上手く、各編の展開も早いので、テンポよく読み進められる。
 一応それぞれに謎があり、ミステリとして仕立てられてはいるが、真相はストレートなものばかりなので、それにだけに重きは置かれていない。報道局を舞台とした、変り者敏腕記者の武勇伝集といった風情。

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