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ミステリの祭典

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静おばあちゃんと要介護探偵

作家 中山七里
出版日2018年11月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 人並由真
(2019/01/25 11:15登録)
(ネタバレなし)
 全5編の連作短編集。元判事・高遠寺静と名古屋の建築業界の大物・香月玄太郎という、既存の中山作品の別シリーズ主人公同士のクロスオーバー編。
 評者はどちらのキャラクターとも初対面だが、最後まで快いコンビぶりを見せてくれている。このあとそれぞれの単独主役編を読むと物足りなく思えるかもしれん。作者ひとりでやった、和製マローン&ウィザースか。
 
 物語の中身としては、高齢の主人公コンビの事件簿だけに老人問題の過酷さなどの主題も多く、ちょっと辛い面もないではない。ただし(劇中で何度も揶揄されるように)テレビ時代劇の主人公のごとく大暴れする玄太郎と、その脇を学園ドラマのクラス委員長的なポジションで固める静の絶妙な活躍もあって、一定の水準で心地よく楽しめる一冊にはなっている。
 ミステリのギミック的にはそんなに騒ぐほどのものもないが、第2話の準密室的なトリックは殺人実行時のビジュアルを考えると少し愉快。

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