home

ミステリの祭典

login
騙し絵の牙

作家 塩田武士
出版日2017年08月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2019/01/17 09:32登録)
俳優の大泉洋さんを当て書きした作品です。
表紙、裏表紙は大泉氏のカラー写真で構成され、章ごとにも白黒写真が挿入されている。
出版業界の内部が描いてある。
主人公の速水は、小説好きの雑誌編集長で、仕事はでき、社交術に長け、浮気もする、この業界ではありがちな(よくは知らないが)、スーパー編集長、スーパーサラリーマンである。

タイトルにときめき図書館で借りてしまったが、これがミステリーなのか?
タイトルと表紙写真があまりにもアンマッチだったので、初めから不安ではあったが、そこだけがミステリーなのだろうとあきらめ気分で、期待せずに読んだ。

一気読みできるほど楽しい読書ではあった。
後半になって小さな事件が種々勃発するが、事件発生が遅すぎるし、その事件もミステリー的には些末すぎる。
やはり業界の裏話的な物語を楽しく読めただけ、という感じがする。
とはいえ、どんでん返し(らしきもの)はいちおうある!(かな?)

こんな書き方をすれば、このサイトではまず読んでもらえない。
だから、抜群のリーダビリティで出版業界の内幕を鋭く描いた社会派ミステリー秀作ということにしておきます。

1レコード表示中です 書評