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ミステリの祭典

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入神

作家 竹本健治
出版日1999年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2019/01/12 05:35登録)
 17才で史上最年少の本因坊となった天才囲碁棋士・牧場智久。だが彼は対局中に突然意識を失う。神に挑戦し、際限もなく極限の読みに突き進むかのような対局姿勢に恋人・武藤類子や親友の棋士・植島は深い危惧を覚える。
 対照的に天性のセンスで自然に神と語らうのは、智久に初の黒星を付けた終生のライバル・桃井雅美。宿命の両者は若獅子戦決勝で対決する。智久に追い詰められた桃井が放った驚愕の一手 "地の果ての二の二" とは――?

 竹本健治が島田荘司・綾辻行人・京極夏彦 etc... の豪華メンバーをアシスタントや装丁にコキ使って描いた壮大な囲碁マンガ。苦悩するベートーヴェン対楽天的なモーツァルトの天才対決です。
 この人のパズル趣味のディープさは意欲作「涙香迷宮」で再クローズアップされた観がありますが、「匣の中の失楽」や「囲碁殺人事件」を読めば一目瞭然、古くからの読者にはお馴染みのもの。
 ワンアイデアストーリーと言っていいですが、囲碁有段者でもある作者が作成に数百時間を掛けたという局面が眼目。将棋はともかく囲碁は専門外ですが、尋常でない凝りようなのは素人目にも解ります。
 プロと比較するのは無茶ですが、作画の方もなかなかの味。「ゲーム三部作」「牧場智久シリーズ」の延長というか番外編で、読後感もそれに近いので別に身構えなくてもいいです。メディアが異なっても作者の癖が強いとあんま関係ないですね。
 それはそれとしてアマゾンを見ると「アホちゃうか」という値段になっております(2019/01/12日現在 ¥5,934)。個人的には飽くまでファンアイテムで、そこまで払って入手するようなもんではないと思うのですが。こうなると処分するんじゃなかったなあ。とほほ。

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