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ミステリの祭典

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ふたりの果て ハーフウェイ・ハウスの殺人
改題『ハーフウェイ・ハウスの殺人』

作家 浦賀和宏
出版日2015年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2018/12/28 22:05登録)
引き裂かれたふたりの世界。転落事故に遭い姿を消した妹を探す健一。隔離された学園に囲われる少女、アヤコ。選ばれし、美しき子供が暮らす洋館での殺人事件。この結末は、予測不能―!!著者渾身の「実験的」長編ミステリー誕生。
『BOOK』データベースより。

良くも悪くもらしいと言えばらしいですが、一般読者にとっては意味が分からないとか、これじゃあ何でもアリじゃんという感想になってしまうと思います。しかし、それが浦賀ワールドなので仕方ありませんね。
タイトル通り、「ふたりの果て」パートと「ハーフウェイ・ハウス」パートが並行して進み、中盤まで何も起こる気配がなく、やっと丁度折り返し地点で殺人が起こります。しかし、それも謎めいたものではなく、ここまでは正直タルいと感じました。
謎と言えば、アヤコと綾子は同一人物なのか、同時に現れる二人の健一はどうなのかというもので、興味はもっぱらその辺りに偏ってしまいます。あれこれ考えを巡らしても到底真相は掴めません。そこここに伏線は張り巡らされていますが、そりゃ解らんはずだわ。

結局最後は浦賀らしく、死んでいるのに死んでいない的な有耶無耶感満載で、それにプラスして悪く言えばメタに逃げたと罵られても仕方ない状況に。実験的なのかもしれませんが、それはこの人にとっては当たり前のことなので、今更堂々と帯に謳うほどのこともなかったのではないでしょうかね。有体に言えば、単行本で刊行するような大した作品ではないと思いました。いきなり文庫でよかった気がしますが。

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