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ミステリの祭典

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見えない鎖

作家 鏑木蓮
出版日2010年12月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 makomako
(2018/12/23 10:22登録)
 鏑木氏の作品は初めて読みました。江戸川乱歩賞作家さんでした。乱歩賞作家や作品は以前はすべて読んでいたのですが、このところやや遠ざかっており鏑木氏の名前も初めてでした。
 切なすぎて涙が止まらないと帯に書いてあります。切ない小説ですね。ことに悪くない人が悪くない人に殺されて、殺した本人も自殺。家族は壊滅状態なのに、本当の原因を作ったやつはののほんとして生きている。
 ああたまらんなあ。
 読み始めてすぐ主人公の女性の気の毒な境遇が延々と語られます。こんな目に合えば当然暗くなるのですが、それにしてもこの女性はずっとうじうじ。
 さらにこの娘さんの外見上の描写はほとんどなし。顔がわからないのです。これではなかなか感情が入らない。
 作者は絶対女性だと思ったのですが、男性の方のようです。
 正義の味方の男性が出てきて、とりあえずお話は完結となるのですが、悪いやつはずっとそのまんまになり爽快感からはほど遠いのです。
 かわいそうなお話が好きなら良いかもしれませんが、私はこういったお話は好みではありません。

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