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ミステリの祭典

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蝶のゆくへ

作家 葉室麟
出版日2018年08月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 小原庄助
(2018/12/14 07:53登録)
明治の群像ドラマだ。進行役は明治女学校に通う星りょう。後に夫と共に、新宿中村屋を開業した相馬黒光である。
新しい時代の生き方を模索するりょうは、男女の恋愛や夫婦の問題など、さまざまな騒動と関わる。やがて結婚し、毀誉褒貶のある人生を歩んだ彼女は、自分が何を求めていたのか理解するのであった。
本書は全7章で構成されているが、第5章までのりょうは脇役に近い。章ごとに詩人や作家など実在人物が登場して、興味深いストーリーが展開していくのだ。なかでも、勝海舟の子の妻である、梶クララことクララ・ホイットニーが、名探偵ぶりを発揮する。第4章が愉快であった。
さらにストーリーを通じて表明される、作家論が素晴らしい。作中で、斎藤緑雨がいう、樋口一葉評には感嘆した。多数の注目ポイントをもつ、読み応えのある作品だ

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