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ミステリの祭典

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天使の葬列
天使シリーズ

作家 三好徹
出版日不明
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2018/12/07 23:13登録)
このシリーズを読むのは初めてですが、1969年に桃源社から出版された本作は、天使シリーズでも初期に属する6編を収録しています。大手新聞社の横浜支支局の記者である「私」には、コンチネンタル・オプの例に倣って名前がありません。しかし、ハードボイルドっぽい雰囲気はあっても、ハメットのドライさとは違い、どの作品も思いっきり情感的です。またこの新聞記者は一応正義漢ではあるのですが、一方ずいぶんだらしないところもあります。
最初の表題作では最初から殺人事件が起こり、犯人は誰でなぜ殺したのかという話ですが、次の『幻の天使』では交通事故で死んだ若い女にまつわる秘密、第3話『天使の唄』では歌手の自殺の理由、といった謎が解き明かされることになり、必ずしも犯罪がらみというわけではありません。全体的にあっさりしすぎている感じがしますが、競馬好きにはとんでもない出来事の『天使の賭け』が一番楽しめました。

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