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ミステリの祭典

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丹夫人の化粧台

作家 横溝正史
出版日2018年11月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2018/12/03 21:56登録)
美貌の丹夫人を巡り決闘した初山と高見。敗れた初山は「丹夫人の化粧台に気をつけろ」という言葉を残してこと切れる。勝者の高見は、丹夫人の化粧台の秘密を探り、恐るべき真相に辿り着き…(「丹夫人の化粧台」)。画家はポケットの中に奇妙な紙切れを見付けた。日比谷公園で、青い外套を着た女に会えと書いてある。その通りにしたところ、とんでもない事件に巻き込まれ…(「青い外套を着た女」)。初期作品14篇を所収。
『BOOK』データベースより。

正直期待外れでした。探偵小説というよりも怪奇色が濃い短編集でしょう。だからと言って横溝らしさが出ているかとなると、疑問です。一応オチもありますし、推理小説の要素もありますが、捻りが効いているようには思えません。

まあ、戦前の時代にまさかのあのトリックの原型が仕掛けられていたり、双生児絡みが二作品あったり、一人二役、二人一役などのちの横溝が好んだ題材が使用されていたりと、その意味ではなるほどと思います。
あまりお薦めは出来ませんが、横溝ファンにとっては嬉しい作品集かも知れません。しかし、ほぼ過去の角川文庫から拾い集めたものですので、収録作品を確認の上購読される必要はあります。

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