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ミステリの祭典

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君の話

作家 三秋縋
出版日2018年07月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 糸色女少
(2018/11/18 10:23登録)
作り物の記憶「義憶」によって、架空の思い出を獲得したり、記憶の一部を消去したりできる技術が一般化した世界の物語。
主人公の大学生は甘酸っぱい楽しい日々を共にした幼馴染とのかけがえのない思い出を胸に抱いている。だが、それは「義憶」にすぎず、主人公は自分が本当に成長するためには消去すべきではないかと悩んでもいる。そんな彼の前に、実在しないはずの幼馴染が現れる。彼女は詐欺師なのか、それとも自分の頭が変になったのか。
優しい嘘である「義憶」は「偽憶」ではなく、人生を補い、人を育む「もう一つの本当」。定番の設定ながら、巧みな構成と叙情性を備えた青春SF。

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