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ミステリの祭典

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つながれた山羊
私立探偵ジョン・カディ

作家 ジェレマイア・ヒーリイ
出版日1988年05月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2018/11/13 23:26登録)
ボストンの私立探偵ジョン・カディのシリーズ第2作。シェイマス賞を受賞していますが、個人的にはむしろ前作の方が好みでした。私立探偵小説としては珍しい試みを入れようとしたのが、かえって少々統一性を欠く結果になったように思えるからです。テーマも理解はできるのですが、不明瞭さが残るように感じました。
ベトナム戦争時代のカディの戦友だった男が殺された事件がメインですが、それに放火犯逮捕に続く事件が並行して描かれる構成になっています。2つの事件に直接の繋がりはないのですが、小説のテーマ的にはカディが反省的に比較していますし、特にラストで結びつくことになります。しかし、犯人の正体にカディが気づいた後、彼のやっていることは複雑過ぎるように思えます。
タイトルについては、途中カディのベトナム戦争回想の中で、虎狩のための囮の山羊が出てきて、さらに後半でそれが比喩的に語られます。

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