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ミステリの祭典

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ダスト18
漫画

作家 手塚治虫
出版日2018年07月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 小原庄助
(2018/10/26 09:47登録)
漫画でもミステリ要素が強ければOKみたいなので・・・。

「この作品がこんな形で本になるとは」と出版されること自体が驚きになってしまう”怪作”というものがある。中でも、この作品は極め付きの1作といえるだろう。なにしろこれまでこのタイトルでは一度も単行本化されていなかったのだ。
連載作品を単行本化する際に、自作にしばしば大きく手を入れることで知られる手塚。当初の構想を果たせないまま不本意に終了となった本作は、設定やストーリーの骨子までも大きく改変、再編成され、さらには新しいエピソードが描き下ろされ、なんと「ダスト8」という別タイトルで単行本化された。
今回出版されたのは、オリジナル原稿と掲載誌「週刊少年サンデー」からのスキャン画像などとを組み合わせ、初出時のままの構成に戻してある。
飛行機事故で本来は死んでしまうはずだったが、「生命の石」の不思議な力で生き延びた18人の男女を、同じ飛行機事故に巻き込まれた少女と少年の体を借りた「キキモラ」なる存在が行方を追う。一方は彼らから石を奪い死なせるため、一方は彼らの命を守るために。
生命の意味を問うという手塚お得意のテーマを、不可思議な設定のもとで描いたストーリーは魅力的で、どうして大幅に手を入れ「ダスト8」としたのか疑問に思えてしまう。「ダスト18」とはメインキャラクターの関係性がガラリと変えられており、どちらが好みか読み比べてみるのも楽しいだろう。

※漫画ですのでご注意を

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