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ミステリの祭典

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ヒネモス・のたり氏は名探偵

作家 胡桃沢耕史
出版日1986年11月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 人並由真
(2018/09/26 17:35登録)
(ネタバレなし)
 フランス語修学の仕上げで実習するためパリに来た19歳の日本人娘・野田ひとみは、現地でパスポートと財布を盗まれた。頼る当ても帰国の術もない彼女は娼婦に身をやつそうかと考えたが、そんな彼女を救ったのは日仏ハーフの65歳の中堅画家ヒネモス・のたりであった。ひとみは心優しき老紳士ヒネモスに処女を捧げ、彼の寛容な妻エレーヌと妻妾同居の関係になる。そのヒネモス画伯には素人名探偵というもうひとつの顔があった。

 全7話を収録した軽めの微エロ連作ミステリ。トリッキィな話はそうないが、パリの仲間たちを交えたレギュラーキャラクターたちが普通の探偵活動の枠に収まらない、正義のための暗殺などまでこなす。この辺のバラエティ感はちょっと楽しい。ただまあ第6話、ガチで性転換の話題に迫る内容の濃さは、さすがこの作者だなあ、という感じ。清水正二郎名義の作品はまだ一冊も読んでないけれどね。

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