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ミステリの祭典

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新生

作家 瀬名秀明
出版日2014年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 糸色女少
(2018/09/23 10:17登録)
三つの中短編からなり、いずれもダンテの「神曲」を通奏低音とし、小松左京の「ゴルディアスの結び目」「果しなき流れの果に」「虚無回廊」の設定を大胆に引用、発展させた異色作。人類が人類を超える可能性が追求される。
表題作「新生」では、ヒトが種として深層レベルではつながっており、宇宙ともまた直接的に結ばれているという思想が、「Wonderful World」では、未来シュミレーションシステムが、人類の倫理的成熟を引き出すとのビジョンが示される。
さらに中編「ミシェル」では、人工頭脳ではなく「人口実存」として開発された存在の精神的内部に「虚無回廊」が出現する。そして実際にも、地球以外に巨大な虚無回廊が・・・。この作品は、さらなる大作に発展する予感がする

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