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ミステリの祭典

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にゃん!鈴江藩江戸屋敷見聞帳

作家 あさのあつこ
出版日2018年04月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 小原庄助
(2018/09/17 09:13登録)
不思議なものを見る力を持った、呉服屋の娘のお糸は、鈴江藩3万石の江戸屋敷に奉公した。しかし正室の珠子は、人間に化けた猫である。このことに気づいたお糸だが、珠子とその娘を愛らしく思い、楽しく働くようになった。だが藩には、お家騒動が起ころうとしている。その裏には、鈴江の地を狙う、妖狐の姿が見え隠れする。かくしてお糸は、珠子たちのために奮闘するのだった。
猫の化身や妖狐が出てくるが、怖いところはどこにもない。元気いっぱいな女性陣が、藩の危機に立ち向かう様が、愉快痛快なのだ。そしてお糸は、珠子たちに囲まれ、とらわれていた時代のかせから解放される。
また、海外から戻ってきた珠子の父親と話しているうちに、お糸が覚えた英語をきれいに発音する場面など、大いに笑った。時代小説としては、かなり羽目を外しているが、突っ込むのはやぼだろう。ただただ、楽しめばいいのである。

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