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ミステリの祭典

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殺人者国会へ行く

作家 日影丈吉
出版日2003年09月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2018/09/04 22:55登録)
(ネタバレなしです) 「多角形」(1965年)から実に11年の空白を経て1976年に発表されました。幻想的だったり文学的だったりユーモラスだったりと多彩な作風を示してきた作者ですが、本書で新たな局地を試みたのでしょうか。何と国会の予算委員会の最中に国会議員が毒殺されるという事件で幕開けします。文字通り世間を騒がす大事件のはずですが、盛り上がらないのはこの作者らしいですね。被害者が調査していた公害問題に絡む文書の行方、失踪した秘書、秘書を訪ねてきたらしい謎の男、やはり毒殺された身元不詳の女と雲をつかむような事件を地道に捜査していきます。後半になると密室の謎解きがあったり非常に古典的なトリックが明かされたりと本格派推理小説らしくなるのはいいのですが社会派推理小説のリアリズムを感じさせる前半とはどうも波長が合わず、場当たり的なプロットになってしまった印象を受けました。

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