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ミステリの祭典

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京都貴船川殺人事件
狩矢警部

作家 山村美紗
出版日1989年11月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点
(2018/08/29 00:03登録)
京都を舞台にした狩矢警部もの3編の中編集。
そのうち最初の表題作が、謎解きとしては最もよくできています。タイトル通り川辺で起きた殺人事件で、容疑者を何人か並べておいて、意外な犯人を指摘してくれます。ただ80ページほどの間に3人も殺され、その1つを密室殺人にしているのは、欲張りすぎでしょう。密室も筆を急がせすぎて不可能性が伝わって来ず、またトリック自体どうということもありません。殺人相互の関係性に謎の焦点を絞った方がよかったと思えます。
『京都保津川殺人事件』は殺人の動機が中心で、それにちょっとしたアリバイトリックを加味しています。しかしあまり印象に残らない作品。『京都鴨川殺人事件』は幼女誘拐殺人が2件続けて起こるミッシング・リンク・テーマの作品ですが、真相は平凡でした。
しかしプロットの出来より小説として薄味すぎ、最低限の登場人物像も描かれていないのが一番の不満でした。

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